エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
「うまいか?」
「はい」
「そうか。それはよかった」
彼が満足そうにうなずき、マグロのお寿司を頬張る。
頬を膨らませて、お寿司をモグモグと咀嚼する様子は案外かわいらしい。
つい、笑みをこぼすと彼と目が合った。
「和食が好きなんですか?」
黙ったままではなんとなく気まずくて、間を持たせるように尋ねる。
「好き嫌いはとくにないが、今日はどうしても日本食が食べたかったのでね」
私が口にした『和食』という言葉を、わざわざ『日本食』と言い直したのはどうしてだろう。
違和感を覚えつつ「そうですか」と相づちを打つと、彼が話題を変えた。
「聞いてもいいか?」
「はい。なんでしょう」
「ギターと衣装のほかに、アイツになにを貢いだ?」
彼の言う『アイツ』とは涼ちゃんのことだ。
二股をかけられていたのはショックだったけれど、二年間も好きだった相手をすぐには嫌いにはなれない。
「貢いだなんて言わないでください。時計もお財布もパソコンも、私が勝手にプレゼントしたんです」
涼ちゃんをよく知りもしないのに悪く言わないでほしくて、不快感をあらわにして言い返す。しかし、彼も負けていない。