エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
「そうか。ギターと衣装のほかに、時計と財布とパソコンも貢いだのか。どれも高級な品ばかりだな」
料理を味わいつつ、平然と嫌味を言う彼を信じられない思いで見つめる。
このまま、涼ちゃんを悪者扱いされたままではいられない。
「私が働いて貯めたお金をどう使おうと勝手でしょ」
「まあ、そうなんだが……。どこか危なっかしくて放っておけないんだよ。キミは」
語気を荒げる私の前で、彼が落ち着かない様子で前髪を掻き上げた。
学生時代は生徒会長を務めるくらい真面目で成績もよかったし、よつば銀行に入行して配属された広報部の仕事も覚えがいいと先輩に褒められ、今ではひとりで任される業務も増えた。
自分ではしっかりしているつもりでも、彼には危なっかしく見えるという事実に衝撃を受けて息を呑む。
カッコよくてカリスマ性がある涼ちゃんに、黒髪でナチュラルメイクしかしない地味な私はたしかに不釣り合いで、貢ぐことで涼ちゃんを繋ぎ止めていたのではないかと、疑いたくなるのも当然なのかもしれないと思った。
「私、本当は音楽関係の仕事に就きたかったんです」
「音楽関係?」
唐突な私の話に驚いたように、彼が首をかしげる。