エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす

「あの、私……涼ちゃんが言っていたように不感症で……」

この手の話を自ら口にするのは、さすがに恥ずかしい。

羞恥を感じて思わず言葉に詰まると、彼が穏やかな笑みを浮かべた。

「それはキミのせいじゃないってことを、俺が証明してやる」

彼の優しくて親切なところは好感が持てるし、頭をなでてくれた大きな手の温もりはちっとも嫌じゃなかった。

順番は逆になってしまうけれど、付き合っていくうちにきっと彼を好きになれるはずだ。

「私、あなたの彼女になります。だからお願い。涼ちゃんを忘れさせて」

心を決めると彼の手が後頭部に回り、瞬く間に唇を塞がれた。

涼ちゃんとは違う唇の感触に戸惑い、肩が軽く跳ねる。

「大丈夫だ。怖くない」

彼が一度唇を離して、私を安心させるように耳もとでささやく。

その優しげな声に安心したのか、肩の力がスッと抜ける。

ほんの一瞬だったけれど、彼の唇はやわらかくて温かかった。

視線を逸らしてキスをした気恥ずかしさに耐えていると、彼の指が顎先に触れて顔が上向く。

「もう一度いいか?」

「は、はい」

彼女になったからには、キスを拒む理由はない。

首を縦に振ると、ふたりの唇が再び重なった。
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