エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす

ひとりで浮かれてしまったと反省していると、朝比奈さんが額に滲む汗を手の甲で拭った。

「しかし暑いな」

「大丈夫ですか?」

暑い中、走らせてしまった罪悪感を胸にバッグからハンカチを取り出して、彼のこめかみに流れる汗を拭う。

「ありがとう。少し先に天然氷のかき氷が食べられるカフェがある。そこに行こう」

「はい」

朝比奈さんが私の手を握って歩き出す。

今は余計なことを考えずにデートを楽しもう。

大きな手の温もりをうれしく思いながら、脇目を振らずに歩を進める彼について行く。

「軽井沢に詳しいんですね」

「ああ、別荘があるからな。学校が夏休みになると軽井沢に来て、三週間くらいこっちで過ごすのが定番だった」

「そうですか」

東京の蒸し暑さから逃れて、避暑地で夏休みを過ごすなんてうらやましい。

話に耳を傾けて歩いていると、ほどなくしてカフェに到着した。

木の温もりが落ち着くログハウス調の店に入り、私はイチゴ味を、朝比奈さんは抹茶味のかき氷をオーダーして食べる。

「んっ! おいしい!」

「そうか。それはよかった」

天然氷ならではのふわふわな食感に感動して、朝比奈さんとテーブルを挟んで微笑み合った。
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