エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす

旧軽銀座をひと通り見て回った後に、「もう一カ所、行きたい場所がある」と言う朝比奈さんに手を引かれて目的地に向かう。

どこに行くのか尋ねても「着いてからの楽しみだ」とはぐらかされてしまったら、しつこく聞けない。

白樺の真っ白な幹と緑の葉の美しいコントラストに目を奪われて、石畳のアプローチを歩いていると前方に木造の建物が見えてきた。

「教会?」

「ああ、そうだ」

三角屋根の上には教会のシンボルである十字架が、正面の丸い窓には色鮮やかなステンドグラスが施されている。

森の中にひっそりと佇む教会で、永遠の愛を誓い合うなんてとても素敵だ。

夢見心地で幻想的な風景に見入っていると、朝比奈さんが繋いでいた手に力を込めた。

「美桜。俺と結婚してください」

「えっ?」

結婚話は白紙に戻ったと思い込んでいた私にとって、突然のプロポーズはまさに青天の霹靂。夢でも見ているのではないかと息を呑む。

「この前はムードがなかっただろ? だから改めてプロポーズするためにここへ来たんだ」

目を丸くする私の前で、朝比奈さんがはにかむ。
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