クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
ぴったりと重なった胸から、一気に彼の体温が流れ込んでくる感覚に怯み、ビクンと腰が浮いた。


「ああ、やっと感じられた。お前の滑らかな肌」


奎吾さんが私の耳元で、どこか恍惚とした吐息を漏らす。


「あっ……あ……」


私はゾクゾクと戦慄きながら、無意識に彼の背中に両腕を回した。
一瞬ハッとして手を引っ込めかけてから、


「……ふふっ」


奎吾さんの言葉の意味に納得して、腕に力を込める。
初めての時は、こうして彼の背中に腕を回すことにも躊躇があった。
包帯に阻まれ、互いの肌が直接触れることもなく、彼の温もりを感じられなかった。
でも、今は――。


「奎吾さん、気持ちいい。溶けちゃいそう……」


うっとりと心の声を漏らす私に、彼も吐息混じりに笑った。


「そうだな。お前はどこもかしこも温かい」


唇が、肌が、なににも阻まれることなく、ぴったりと重なり合う。
そうしていると、奎吾さんの心の震えも悦びまでもが、全部私に浸透してくる気がする。
きっと、彼にも同じように、私が全部伝わっているはず……。


「凛花、愛してる。一生、俺だけ見てろ」


奎吾さんは、憚らない独占欲と大きな愛で、私を包み込んでくれる。
ドキドキするのに、絶対的な安心感を与えてくれる。
私は、愛おしすぎる体温に溶け込みながら――。


「私も、奎吾さん……」


彼のすべてに身を委ねた。
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