クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
せっかくの結婚記念日にカレーなんてとは思ったものの、少しでも無駄にならない可能性を考え、純平さんのアドバイスに従ったのだ。
だけど、無心で作っていた間も出来上がった後も、時間は無情に過ぎていくだけ。
リビングの壁時計が午後六時を示すのを見て、諦めがついた。
香港から日本まで、飛行時間は四、五時間ほど。
今まで連絡がないのだから、もう奎吾さんは帰ってこない。
もともと、私が一方的に我儘を言っただけで、彼は約束してくれたわけじゃなかった。
確約できなかったからだろう。
予定も立てられないほど、忙しい人だ。
はっきり『いいよ』と言わなかったのも、私をぬか喜びさせないため。
彼はそういう優しさを見せる人だ。
でも、ギリギリまで希望を捨てずにいた私は、やるせない思いに駆られてしまった。
経験のないやけ酒を、やってみたくなった。
私は普段ほとんどお酒を飲まないから、自分の限界を知らない。
人並みにお酒を嗜む彼のために用意した赤ワインのボトルを開け、とりあえずグラス一杯。
試し試し飲み進めてみたけど、意外と酔えなかった。
飲む習慣はないけど、弱くはないのかもしれない。
気が大きくなって、ついつい飲みすぎてしまった。
だけど、無心で作っていた間も出来上がった後も、時間は無情に過ぎていくだけ。
リビングの壁時計が午後六時を示すのを見て、諦めがついた。
香港から日本まで、飛行時間は四、五時間ほど。
今まで連絡がないのだから、もう奎吾さんは帰ってこない。
もともと、私が一方的に我儘を言っただけで、彼は約束してくれたわけじゃなかった。
確約できなかったからだろう。
予定も立てられないほど、忙しい人だ。
はっきり『いいよ』と言わなかったのも、私をぬか喜びさせないため。
彼はそういう優しさを見せる人だ。
でも、ギリギリまで希望を捨てずにいた私は、やるせない思いに駆られてしまった。
経験のないやけ酒を、やってみたくなった。
私は普段ほとんどお酒を飲まないから、自分の限界を知らない。
人並みにお酒を嗜む彼のために用意した赤ワインのボトルを開け、とりあえずグラス一杯。
試し試し飲み進めてみたけど、意外と酔えなかった。
飲む習慣はないけど、弱くはないのかもしれない。
気が大きくなって、ついつい飲みすぎてしまった。