秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 ジジにホバリングしてもらい、ぶら下げた尾っぽを掴んでよじ登り、背中まで乗りあがるのはお手の物だった。降りる時も、また然り。さすがに長じてからはこんなお転婆な行動はご無沙汰していたが、今でもきっと為せば成る!
 私の要請に、アポロンは一瞬ギョッとしたように目を見開いたけれど、すぐに高度を下げて尾っぽを垂らしてくれた。
「ありがとう!」
 私はワシッと尾っぽの先を掴むと、ズリズリとよじ上っていく。
 片手に鞄を抱えていたせいで少し難儀したが、私がズリ落ちないように、アポロンが尾っぽに角度をつけてフォローしてくれたおかげで、無事背中に跨ることができた。
「ありがとうね、アポロン。後でお礼に、とびりき新鮮なニンジンを届けてあげるわ」
「ギュァ?」
 怪訝そうな声を聞くに、もしかするとニンジンはジジだけの好物かもしれないと思った。
 アポロンは私がしっかり掴まったのを確認すると、王宮に向かって飛んだ。

< 152 / 340 >

この作品をシェア

pagetop