秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
知っての通り、ラベンダーはリラックス効果の高いハーブの筆頭だ。花の開花はまだ少し先だけれど、メイド長が庭の花壇で育てたラベンダーの一部を乾燥し、保管してあると以前に話していたのを思い出していた。
そうして私がメイド長の部屋に向かい、王宮の廊下を歩いていると。
「あの、待ってちょうだい……!」
後ろから声をかけられて振り返ったら、小柄な女性が廊下の向こうに立っていた。
「あなたは……」
夜会の日とは別人のように小さく肩を縮め、細い両手を胸の前で組んで不安そうに私を見上げるカミラの姿があった。好き好んで顔を突き合わせたい相手ではなかったが、『待って』と言われた手前、私は仕方なく足を止めて彼女に向き合った。
ところが、当のカミラは唇を震わせるばかりでなかなか話し出そうとしない。
「私になにか用かしら?」
私が問うと、カミラは思いつめた表情でガバッと頭を下げた。
えっ?
そうして私がメイド長の部屋に向かい、王宮の廊下を歩いていると。
「あの、待ってちょうだい……!」
後ろから声をかけられて振り返ったら、小柄な女性が廊下の向こうに立っていた。
「あなたは……」
夜会の日とは別人のように小さく肩を縮め、細い両手を胸の前で組んで不安そうに私を見上げるカミラの姿があった。好き好んで顔を突き合わせたい相手ではなかったが、『待って』と言われた手前、私は仕方なく足を止めて彼女に向き合った。
ところが、当のカミラは唇を震わせるばかりでなかなか話し出そうとしない。
「私になにか用かしら?」
私が問うと、カミラは思いつめた表情でガバッと頭を下げた。
えっ?