秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
幼い俺の心にキラキラとまぶしい記憶を刻んだメイサ。十年後、美しく変貌を遂げたメイサが俺の前に降り立って、華麗な手技で俺の命を救った。
……いいや、それだけではない。今この瞬間も、俺はメイサの存在に救われているのだ。
刺客を差し向けたのが姉のイザベラだと聞かされた時、地面が足もとからガラガラと崩れ落ちてしまいそうな恐怖と絶望が俺を襲った。
特段、仲のいい姉弟ではなかったかもしれない。しかし、姉に手を引かれて庭を歩いたこともあれば、遊んでもらった記憶もたしかにあったのだ。
王族にあっては珍しく恋愛結婚をした父母は夫婦仲がよく、とりわけ一家円満を心がけた。多忙の中でも、ふたりは決して育児を養育係任せにはしなかった。体調を崩した母が普段の生活拠点を離宮に移し、姉たちも多くが嫁いだことで、今でこそ団らんの時間はないに等しいが、両親と姉たちと共に俺は温かな幼少期を過ごしてきた。
……いいや、それだけではない。今この瞬間も、俺はメイサの存在に救われているのだ。
刺客を差し向けたのが姉のイザベラだと聞かされた時、地面が足もとからガラガラと崩れ落ちてしまいそうな恐怖と絶望が俺を襲った。
特段、仲のいい姉弟ではなかったかもしれない。しかし、姉に手を引かれて庭を歩いたこともあれば、遊んでもらった記憶もたしかにあったのだ。
王族にあっては珍しく恋愛結婚をした父母は夫婦仲がよく、とりわけ一家円満を心がけた。多忙の中でも、ふたりは決して育児を養育係任せにはしなかった。体調を崩した母が普段の生活拠点を離宮に移し、姉たちも多くが嫁いだことで、今でこそ団らんの時間はないに等しいが、両親と姉たちと共に俺は温かな幼少期を過ごしてきた。