秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 俺は一連の出来事を経て、彼女との出会いと十年後の再会は運命だと確信していた。そして、この巡り合わせは神が定めた必然で、ふたりの絆は永遠に続く宿命なのだ。
「立太子の礼の晩、すべてに片がついた時に伝える」
 明日の晩、俺はメイサに想いを打ち明ける。彼女を専属女官などという仮初の任から解き、俺の生涯の伴侶として永遠に共に──!
「わかったわ」
 メイサは小さく頷いて、前に向き直る。
 俺は愛しいメイサのやわらかな感触と温もりを味わうように、彼女のウエストに回した腕に力を篭めた。

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