秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「メイサ! ヴァーデン! 実は儀式で使う聖水──俺が昨日汲んできた秘泉の水がなくなった。おそらく、何者かに奪われた」
 アズフィール様は足を止めずにドラゴン舎の中に進みながら答えた。
「っ! なんてこと……」
「儀式には、聖水が必須なんじゃなかったのか!? 開始までもう時間がないぞ!」
 ヴァーデン王子の言葉に、神官長が青ざめた顔で震える唇を開いた。
「面目もございません。此度の盗難は、すべて秘泉の水を管理していた私の落ち度でございます。この上は、私の命をもって陛下に謝罪を──」
「神官長、今は責任の追及をしている暇はない! 一刻も早く秘泉の水を取り戻すのだ!」
 アズフィール様は神官長を叱咤した。
「アズフィール様はなにか策があるのね? それでこの場所にいるのでしょう?」
「ああ。ドラゴンは神の使い、聖獣だ。もっとも神に近い金色ドラゴン、俺のアポロンがきっと聖水の在処を教えてくれる」
「なるほど! そんな探し方があったのね……!」
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