秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 思いつきもしなかった方法を伝えられ、目からうろこが落ちた。神官長や補佐官、ヴァーデン王子も目を真ん丸に見開いていた。
 アズフィール様はアポロンの房に辿り着くと、自らの手で仕切りを外しだす。
「アポロン! お前に頼みたいことがある」
「ギュァ!」
 アポロンは、アズフィール様が端的に事情を伝えると力強く嘶いた。
「アズフィール、君に勝算があることはわかった。だが、開始予定時刻までもう二十分を切っていて、定刻の開催は絶望的だ」
「そんなことはわかっている。だが、捜してくる以外に手はない」
「私がなんとかしてやる。……私が大広間に戻り、君が来るまでの場を繋いでおいてやる」
 アズフィール様がアポロンを連れ、ドラゴン舎の前まで戻ったところで、ヴァーデン王子が告げた。
「ヴァーデン、恩に着るぞ……!」
「だが、繋ぐにも限界はある。それから、これは君への貸しだ。この貸しは、いつか返してもらうぞ」
「いいだろう! お前が窮した時、なにを置いても必ず駆けつけよう!」
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