秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「……どうかな。そもそも、このまま私が王位に就くのかもわからない」
ヴァーデンの返事は、なぜか煮え切らないものだった。
「そうなのか? 第一王子はお前だろうに」
「まぁ、そうだな。では、記念式典の際は最前列に列席してくれ」
「ああ。その時は必ずメイサとふたり、夫婦で出席させてもらう」
もしかすると、ウォールド王国の内情は俺が思う以上に揺れているのかもしれない。ともあれ、それについては俺が口を出すことではなく、この話題にはこれ以上切り込まず軽く返すにとどめた。
「おいおい、なにをしれっと『夫婦』だなどと口にしている。メイサ嬢の同意も取り付けぬうちから、まったく気の早いことだ」
「なに、決して早いことはない。俺は遠からず、メイサを妃に迎えるのだからな」
「やれやれ。……アズフィール、メイサ嬢を必ず幸せにしろよ」
ヴァーデンが、他の客と歓談するメイサをチラリと流し見て、唐突に告げた。
藪から棒になんだ? 俺はヴァーデンの台詞に首をかしげつつ、真っ直ぐに答える。
ヴァーデンの返事は、なぜか煮え切らないものだった。
「そうなのか? 第一王子はお前だろうに」
「まぁ、そうだな。では、記念式典の際は最前列に列席してくれ」
「ああ。その時は必ずメイサとふたり、夫婦で出席させてもらう」
もしかすると、ウォールド王国の内情は俺が思う以上に揺れているのかもしれない。ともあれ、それについては俺が口を出すことではなく、この話題にはこれ以上切り込まず軽く返すにとどめた。
「おいおい、なにをしれっと『夫婦』だなどと口にしている。メイサ嬢の同意も取り付けぬうちから、まったく気の早いことだ」
「なに、決して早いことはない。俺は遠からず、メイサを妃に迎えるのだからな」
「やれやれ。……アズフィール、メイサ嬢を必ず幸せにしろよ」
ヴァーデンが、他の客と歓談するメイサをチラリと流し見て、唐突に告げた。
藪から棒になんだ? 俺はヴァーデンの台詞に首をかしげつつ、真っ直ぐに答える。