秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「おや、なんだろう」
「おふたりが慈善活動を積極的に行っているのを見込んでのお願いです。早急に支援を要する場所があるのですが、詳細については、後ほど書面でお知らせさせてください」
「承知しました」
 そうこうしているうち、他の大臣が俺に挨拶にやって来たので、ヴェラムンド伯爵夫妻との会話は一旦これで終わりになった。
「……なぁアマンサ、君はてっきりメイサをアズフィール様の妃にしたいのかと思っていたよ。メイサを専属女官にと打診された時、真っ先に賛成して、私を丸め込んでしまったんだからね」
「ふふふっ。決めるのはメイサよ。でもアズフィール様は素晴らしい青年だもの、ちょっとくらい援護射撃をしてみせたってバチはあたらないわ」
「ふむ。要するに君は、アズフィール様推しなわけだ」
「いやあね、すべてはメイサの心ひとつよ」
 背中から聞こえてきた夫妻のひそひそ話に、自ずと頬が緩んだ。

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