秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 今日は、アズフィール様にとって人生の節目となる記念の日。忙しいのはもちろんのことなのだが、それにしてもずいぶんと草臥れて見えた。
「アズフィール様、お疲れ様でした」
 アズフィール様は、朝から立太子の礼とその関連儀式で秒刻みのスケジュールを熟していた。その上、立太子の礼の直前には聖水が奪われる不測の事態も起こった。無事に儀式が閉幕したと思えば、今度は息つく間もなく昼餐が始まり、その後もずっと帰国する外国要人の見送りに追われていた。
「そうだな。今日はさすがに、少し疲れた」
 ちなみに、私もヴァーデン王子の出立にだけは立ち会っているのだが、王子は帰り際に『メイサ嬢、今度一度ウォールド王国に遊びにおいで。その時は、父上と対話する時間も取るよ』と私に言い残し、国から乗ってきた天馬で空に飛び立っていったのだ。
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