秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 私はそんな姿を目にして、やはり彼の本質はとても繊細で、そして家族愛に深く優しいのだと確信する。アズフィール様の情の厚さが、私にはとても尊いものに感じられた。
「……ふざけるな! やっとのことで入手した遅効性の毒を仕込んだ菓子を渡せば、お前は後で食べると後生大事に取っておいて腐らせた! 調教中のドラゴン舎で、お前が荒ぶるドラゴンに踏みつぶされて死ねばいいと思ったら、お前はあろうことか一番気性の荒い金色ドラゴンを手なずけて自分の物としてしまった! 樹林公園では岩を落とし、お前を夜行性の毒蜘蛛が住む洞に閉じ込めることに成功した。今度こそ死んでくれると思っていたのに、お前はピンピンして日のあるうちに出てきた……!」
 徐々ににじり寄り、ガーデンテーブルはもう目前だった。
「……そんな」
 アズフィール様は衝撃を受けているようだったけれど、私はもともと樹林公園での一件に作為的なものを感じており、イザベラ様の言葉に驚きはなかった。
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