不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
「まったく、油断も隙もあったものじゃない。千帆、あの男になにもされていないか?」
再びこちらに戻ってきた斗馬さんが、私の肩を抱いて気遣ってくれる。
「はい。私は大丈夫です」
「その割に顔が暗いな。怖かったか?」
「いえ……」
俯いて、自分の水着を見る。さっきの女性たちに比べて露出が少なく、色気のない水着。斗馬さんが上品で似合うと言ってくれたのだから自信を持てばいいのに、なんだか野暮ったく感じてしまう。
「斗馬さんも、やっぱりビキニの方が好きですか?」
斗馬さんが怪訝そうに眉根を寄せる。いきなり脈絡のない質問をぶつけられ、戸惑っているようだ。
「それはどういった意図の質問だ?」
「別に深い意味はないです。単に斗馬さんの好みを聞きたいだけで」
「好みか。千帆が着るならどんな水着でも好きだよ」
「それはうれしいですけど、でもそうじゃなくて……」
なかなかうまく伝わらず、悶々として唇を噛む。
斗馬さんはそんな私の様子を見て、なにか察したらしい。肩を抱いていた手をスッと腰に移動させると、お互いの体を密着させるようにぐっと引き寄せた。