不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

「あの、少しお聞きしたいことがあるのですが」
「聞きたいこと? 五分くらいしか余裕ないけど、それでもいいなら」
「構いません。斗馬さんの浮気について、洗いざらい暴露していただきたいだけなので」
「えっ?」

 夕飛さんは間の抜けた声を出し、ぱちぱちと目を瞬かせる。この期に及んでしらばっくれるつもりだろうか。

「とぼける必要はありません。浮気相手は天使だと形容したくなるほど美しい女性なのでしょう? 結婚前の話ではありますが、斗馬さんは私という許嫁がいながら、あなたと出かけた合コンでその女性と出会い、肉体関係を持った」
「ちょ、ちょっと待って。確かに一度斗馬と合コンに出かけたけど、浮気したなんてあり得ない。だってアイツ、やっぱりきみに申し訳ないからって途中で帰ったんだ」

 夕飛さんが、慌てて否定する。しかし、とうてい信じられない。

 斗馬さんと結託して、口裏を合わせているに違いない。

< 152 / 172 >

この作品をシェア

pagetop