不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす
「嘘を言わないでください。結婚式の日、あなたと斗馬さんの会話を聞いたんです。斗馬さんはその合コンで天使をお持ち帰りして、美味しく召し上がった。そんな、不埒で下品な話をされていましたよね? この耳で聞いたんだから間違いありません!」
「お持ち帰りした天使……? あっ。千帆さん、それってたぶん」
少し考えたのち、ハッとして私を見た夕飛さん。
ようやく天使の正体が明かされる……。真実が知りたい反面やっぱり怖くて、ドクドクと心臓が脈打った。
「斗馬が好きなチーズのことだ。知らない? ブッラータチーズって」
チーズ? 緊張していた私の耳に予想外の単語が聞こえて、ぽかんとする。
しかし、ブッラータチーズなら知っている。紗那と行ったイタリアンで注文した『天使のカプレーゼ』に使われていた、大きなチーズ……そこまで思い至り、私はぎょっとする。
天使というのは、まさか――。