不屈の御曹司は離婚期限までに政略妻を激愛で絡め落とす

「それで、相談って? 斗馬さまと喧嘩でもしたの?」
「ううん、喧嘩というか……それよりも末期というか」
「末期? どういう意味?」

 紗那が不思議そうに首を傾げる。私から話を聞いてと言ったのに、言い出すまでにしばらく葛藤し、深呼吸をしてからようやく口を開く。

「私たち、離婚するかもしれないの」
「えっ!?」

 思わずと言った感じに、紗那が大きな声を出す。直後に「ごめん」と言って自分の口を押さえたけれど、幸い、周囲の客たちもおしゃべりに花を咲かせているので、私たちが目立ってしまうことはなかった。

「な、なんで? どっちの意思で?」
「私。結婚前に、斗馬さんがほかの女性と肉体関係を持っていたことが発覚して、どうしても許せなくて」
「それ、斗馬さまも認めてるの?」
「……うん」

 肩を落として頷くと、紗那が気の毒そうな眼差しを向けてくる。

 紗那は、私が結婚前から斗馬さんに片想いしていたことを知っているから、余計に哀れに思えるのだろう。

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