公爵の娘と墓守りの青年
しっかり頷き、マティウスは尋ねる。
その問いに首をカイは振る。
「こっちは大丈夫。俺のことより、リフィーアちゃんの心配をしてあげて。フィオナちゃんに似て、しっかりしてるけど、まだ十六歳の女の子なんだから」
「姪の心配をして下さって、ありがとうございます。ところで、カエティス様。朝食は食べたのですか?」
「……それは、聞かないでくれないかな。忘れようとしてるから」
悲しく眉を下げ、カイは呟くように言った。
言い終わったのと同時に、腹から大きな音が響く。
響いた腹の音に、カイはばつが悪そうに頭を掻いた。
「……後で、何か差し入れでも持って来ますよ、カエティス様」
笑いを堪えながら、マティウスは告げた。
「……ありがとう。でも、そんなに気を遣わなくていいよ。いつものことだし」
「駄目です。初めてお会いした時もそうでしたが、カラスに負けたからといって食べないのは身体によくありませんよ。身体を壊しますよ」
「身体は大丈夫だよ。頑丈に出来てるし、そう簡単には死なないから」
手を何度も左右に振り、カイは暢気に言う。