公爵の娘と墓守りの青年
――悔しくて堪らない。
ただ、ただ一人の勝手な欲望の為に自分や両親、家族、国の人々、守護騎士、国王、女神が巻き込まれ、犠牲になるのがリフィーアは悔しくて堪らなかった。
そして、墓地を相棒と共に守っているカイを申し訳なく思った。
「……叔父様。カイさんも巻き込まれた一人なのですか?」
「――そう、だね。彼は一番の迷惑を被ってるだろうね」
のんびりと墓地に佇むカイを思い出し、マティウスは頷いた。
一番の迷惑を被っている割には結構、墓地での生活を楽しんでいるような気もするが。
「あの、それともう一つ聞きたいのですが、墓地に現れる亡者は何なのですか? カイさんは術者の人が亡くなった人を動かしてるって、言ってましたけど」
「彼はそう言ったのか……。リフィーア、少しだけ違う。大体の場合は墓地に封じられた闇の力が亡者を動かし、墓守りの彼やウィンベルク公爵、国王を殺そうとしているんだよ。もちろん、術者が動かしている時もあるが、それは滅多にない」
事情を知らない者以外に詳しく話す気がなかったカイの考えをリフィーアの言葉から感じ取りつつも、マティウスは答える。