公爵の娘と墓守りの青年
「えっ、ちょっと、ビアン。俺の話を信じてなかったのか?」
「まぁ、半分?」
「ひどいなぁー」
息を吐き、カイは嘆いてみせるが、顔は笑顔だ。
「それより、いいのか?」
「何が?」
「お前の女神が、お前の昔話をしてるぞ」
「え?」
ビアンの言葉に驚いて、カイは素早い動きで女性――ネレヴェーユとリフィーアの会話に耳を向けた。
「あの、ネリーさん。カイさんとの出会いはどんな感じだったんですか?」
目を輝かせて、リフィーアはネレヴェーユに尋ねた。
「カイとの出会い、ですか? そうですね、空ふ……」
「はいはーい! ちょっとそこまでー!」
ネレヴェーユの言葉に覆い被さるようにカイが慌てて止めた。
「カイさん、止めないで下さいよー。良いところだったのに」
頬を膨らませて、リフィーアは眉を寄せた。
「いや、そこは止めておかないとマズイでしょ、リフィーアちゃん。ネリーもそこは話さずに『秘密』とか何とか言おうよ」
「あら、私は話すの平気よ? むしろ、たくさん話したいわ」
にっこりと華やかに微笑み、ネレヴェーユは言った。
「……ネリー……」
ネレヴェーユの言葉に、カイはがっくりと項垂れた。