BeAST
「分かった」
歩きながら話すのも、結構体力いるよな。
俺は環の手首を掴む。
「?」
環が首を傾げる。
「これで少しは脈分かんだろ」
そう答えると、環は立ち止まる。
それに合わせて立ち止まり、環を見れば、真顔で俺の事を見ている。
「何、嫌ならやめるけど」
手を離すとその手を掴まれる。
「灯織はさ」
環、やっぱ手デカイな。
「学校でも、僕に対してみたいに優しくしてる男いる?」
「は?」
嫉妬。
独占欲。
分からないとか、そんなことは言わねえよ。
「俺が優しくしたいと思うのは、環だけだよ。優しくしなきゃいけないと思うのは耀介。それは昔も今も変わらない。この先、環よりも俺を愛してくれる人が現れるだろうって環は言ってたけど、俺には分かんねえよ。俺が環以上に大切にしたいやつが現れるかも分かんねえ。先のことなんて分かんねえよ」
環は、家族だ。
恋人じゃない。
環がどう思ってるのかは知らない。
環のそれが、愛であることにはかわりない。
「つか、俺の性格なんて、環の方が知ってんだろ」
俺がワガママ言えっつったからか。
「そう、だね。なんか、丞さんが灯織を褒めてるの見てて、もやもやしちゃってさ」
ああ、そうか。
それは所謂。