魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました
 最近、アルトはやけにノインを毛嫌いしていて、彼が私に近づくとものすごい剣幕で怒るのだ。騒ぐくらいならいいけれど、噛みついたり引っかいたりするから困っている。

「それはあるのかも」

 はあ、とため息を吐いてテーブルに突っ伏す。

「変わり映えのしない毎日だなー……って思わない? 朝は商会に卸す薬を作って、昼は勉強して、夜は……だらだらして。前はもっと楽しかったんだけど、最近は潤いを感じないんだよね」

「気持ちはわからないでもない。僕もおまえのせいで、ひとつ目的がなくなったからな」

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