7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
「翔次…。私は、いくら憎まれても構わない。…だが、お前を嫌いになる事はできない。…奏弥にばかり手がかかり、お前が苦しい時に何もできなかった事を今でも悔やんでいる…」
ギュッと、拳を握りしめた翔次…。
「もういいから、そっとしておいて下さい。…僕は今、とても幸せですから。何もしてほしくないので、これ以上関わらないで下さい」
関わらないで下さいと言われると、スッと疾風の頬に涙が伝った…。
「…その気持ち…よく分かるよ、翔次…」
上ずる疾風の声を聞くと、翔次の胸がズキンと痛んだ。
「私も昔。犯罪差の汚名を着せられた事があった、その時は全てがどうでもよくなり。両親にも信頼してもらえていないと、失望感しかなかった。誰にも関わってほしくなくて、ずっと心を閉ざし死のうとした事もあったから。…お前と奏弥には、同じ道を歩いてほしくなかったのに…結局、同じ道を歩かせているのだな…」
そっと顔を背けて、目頭を押さえた疾風。
「お願いします…。そっとしておいて下さい…僕には…」
ズキン!
急に胸に激し痛みを感じた翔次は、その場に蹲った。
「どうした? 翔次」
傍に疾風が駆け寄ってくると、翔次は真っ青な顔をしていた。
ゴホッ・ゴホッと咳き込み始めた翔次はポケットからハンカチを取り出し口に当てた。
「今すぐ病院に行こう! 」
行かない! と、翔次は首を振った。
「いい加減にしろ、翔次! お前が倒れたら、誰が私を助けてくれるのだ! 」
肩で息をしている翔次を見ると、口に当てているハンカチが赤く染まっているのが目に入った。
「いかん、救急車を呼ぶから」
「呼ばないで! 」
ギュッと疾風の腕を掴んで引き留めた翔次は、少し虚ろな目で見上げた。
「…あと3日…。僕には、その時間しかないから…」
「何を言っているんだ、こんなの普通じゃないだろう! 」
「分かっているからもういい、病院に行ったら…僕は二度と出てこれない…。だから…あと3日だけ…自由にさせてほしい…」
青白い顔の翔次を見ると、疾風はたまらなくなりギュッと抱きしめた。
「どうして…もっと早く言わないんだ? こんなになるまで…」
「これは…僕自身への戒めだから…」
「そんな事ない! お前は何も悪くない。悪いのは私だ! 」
そんなことはないと、翔次は首を振った。
プーッツ…プーッツ…
内線が鳴った。