7日後の約束は〇〇…秘密を抱えた2人の奇跡の恋物語…
宗田家に戻った奏達は、とりあえず今夜は疾風が翔次の傍についている事になっている為一休みする事にした。
奏弥は久しぶりに戻って来た我が家に懐かしさを感じていた。
「奏弥の部屋はそのままにしてあるわ。自由に使ってね」
「有難う」
食卓に座って、一休みの為お茶の用意をした奏。
凜はずっと黙ったまま何も喋ろうとしない。
「奏弥、まだ一人で暮らすつもり? 」
「まだって、俺は如月家に養子に行っているから。ここに、俺がいるわけにはいかないじゃん」
養子? それで、苗字が違うのか…。
兄弟って言われたけど、苗字が違うからどうしてかと思ったけど。
凜は腑に落ちなかった事がな得で来た。
「そうだけど、無理に如月の家を護る事はないのよ。勝(まさる)おじさんだって、いるのだから」
「うん。…今までは、翔次がこの家を継いでくれるって思っていたから。俺は、母さんの実家を護ろうって決めていたんだけど。ちょっと考えてみるよ」
「いつでも戻ってきていいのよ。一人暮らしは大変でしょう? 」
「そうでもないよ。一人で暮らし始めてから、随分と強くなったと思うから」
黙って聞いていた凜は、お金持ちで裕福に見える宗田家にも色々な事情があるのだと思った。
奏弥は翔次と双子の兄弟。
だが、奏弥は大学を卒業した時に奏の実家である如月家を護りたいと言い出して、養子に行く事にした。
既に奏の両親は他界していて、残された親族は勝と言う叔父にあたる人だけだった。
勝も複雑で、奏の妹の子供であるが一時期は奏が引き取り育てていたが皐月原という資産家の家に養子に引き取られた。
だが大人になり家系の事情を知って、如月家を護りたいと言い出した勝は如月家に戻る事にした。
24歳と言う若さで一人で家系を護ってゆくのは大変だろうと言われたが、案外そうでもなく残されていた如月家の資産もあり現在はコンサルティング会社を設立して業績を上げている。
そんな勝の下へ奏弥が養子に行くと言い出した。
勝が如月に戻って2年経過した頃で、一人でちょっと寂しいと思っていたと言われ、養子と言っても兄弟のような形になったが案外気が合って楽しく過ごせていたが、奏弥が養子に行って2年ほどで勝は結婚した。
それがきっかけで、奏弥は一人暮らしを始めた。