男装魔法使い、女性恐怖症の公爵令息様の治療係に任命される
「ジークハルト様は、可愛い人ですよね。ひとまずは私だって初めてなので、まずは交際からということでお願いします」

 彼は、呪いが解けたばかりだ。

 これまで女性に恐怖して避けまくっていた後遺症で、モニカ達に悲鳴を上げていたようなことを改善していかないと。

 婚約とか、そういうことは忙しくてすぐに考えられそうにないから。

「だって私は、まだあなたの治療係、ですからね」

 ジークハルトは消化俘虜穴ような息を吐いていたが、口元に小さな笑みが戻って、エリザを強く抱え直していた。

「まぁ、あなたには可愛がられたいと考えていましたから、可愛い人という感想も誉め言葉ではありますし……婚約はきちんと許可を取りますから、まずはそれを目指して頑張ろうと思います」

 呪いの間の行動を一時忘れてしまっていたエリザは、彼が『頑張る』とどうなるのか――なんて、この時はまったく思い浮かばなくて。

 彼が抱き締めただけで大人しくているなんて、今だとだったと、このあとから知ることになるのだった。


                          了
< 392 / 392 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:125

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。 「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」 ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!? ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……? サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います! ※他サイト様にも掲載
表紙を見る 表紙を閉じる
【電子書籍化決定いたしました!2025年8月20日、ルージール文庫様から本編加筆&その後の書き下ろし番外編付きで発売です!】人族貴族の公爵令嬢であるシェスティと、獣人族であり六歳年上の第一王子カディオが、出会った時からずっと犬猿の仲なのは有名な話だ。彼女はある日、それを終わらせるべく(全部捨てる勢いで)隣国へ保留学した。だが、それから数年、彼女のもとに「――カディオが、私を見ないと動機息切れが収まらないので来てくれ、というお願いはなんなの?」という変な手紙か実家から来て、帰国することに。そうしたら、彼の様子が変で……? ※他サイト様にも掲載
表紙を見る 表紙を閉じる
★2024.7.05 ベリーズファンタジースイートにて書籍化のため、第一章までの公開中です★ 「魔女」と恐れられる金色の髪と瞳を持って生まれたため、家族から捨てられた辺境伯令嬢のサラ。 ひょんなことから出会った獣人国の狼皇帝・カイルに拾われ守ってもらうために契約結婚するが、いつしか両想いになり真の伴侶となった。 結婚式をすることが決まり、カイルからの溺愛も甘さを増すばかり。ところが、そんなふたりの前に神獣国のペガサス大公が現れ、いきなりサラに求婚してきて――。神出鬼没で真意が見えない大公にサラも振り回されっぱなし。 思わぬライバルの登場で、カイルの独占欲も抑えられなくなってしまい…!? 「もう、我慢しない。お前のすべてが欲しい」 カイルから本能のままに求められ身も心も夫婦として結ばれるふたり。 一方で、神獣国とは国交を揺るがす事態に発展していき――! 捨てられ辺境伯令嬢×冷酷な狼皇帝 大人気シリーズ 待望の続刊!!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop