甘いお菓子のように

2

カフェテリアに行くと、そこで休憩している二階堂さんを発見した。

わたしは小走りで近づくと彼に声をかけた。

「先ほどはすいませんでした!!」

突然、近づいてきて大声で謝られたので彼はびっくりしていたが、何のことか理解すると「あーあれか。大丈夫ですよ。さっき確認したら直ってましたので。迅速な対応に感謝します」と答えた。

「あ、いや。わたしじゃなく紅子さんが直しました」

「さすが紅子さん」

そう言うと彼は可愛い笑顔で笑って、コーヒーを啜った。

その笑顔にふいにときめいたわたしは、このまま終わりたくなくてある提案を彼に尋ねてみた。

「あの、二階堂さん」

「ん?」

「お詫びします」

「え、お詫びって?」

「記事のエラーの件でご迷惑おかけしたので、お礼に奢らせてください」

「え、いいですよ、そこまでしなくても!記事は直った訳だし」

「いえ、でも。お手を取らせてしまったので、ぜひお詫びに奢らせてください!お願いします!」

わたしの気迫に負けたのか、あまりにもしつこいと思ったのか、どちらか分からないけど二階堂さんはフッと噴き出すように笑うと「そんなに言うんでしたら、じゃぁぜひお願いします」と答えた。

「やった」

わたしは心の中でガッツポーズを取った。

「いつが空いてます?」

「え、仕事の合間にコーヒーを奢ってくれるとかじゃなくて?」

「いえ、食事に行きましょう」

まさか、デートに誘われると思ってなかったのか彼は一瞬びっくりしていたけど笑顔になると「じゃぁ、食事に行きましょうか」と言ってくれた。

わたしはそれが嬉しくて天にも昇る気持ちになった。

「はい!行きましょう!」

憧れの二階堂さんとのデート。

わたしは、高山くんのことも忘れてすっかり頭の中は二階堂さんのことで頭がいっぱいになった。

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