エデンの彼方でいつかまた
そこには留乃が映し出されている。

「白羽瑞希と手を切って。私と結婚してくれたら黙っていてあげる」

「おれを脅すのか」

留乃はにこりと笑うと敬信に近寄ると、腕を組む。

「君は婚約者がいたんじゃないのか」

「学武には、ふさわしい相手がいると思うわ。わたしも、あなたがいいの」

「なるほど、おれには君が合うといいたいわけだな」

家柄といい、これからも付き合っていくには申し分ない。

「君の気持ちは嬉しいよ、だがね」

敬信はゆっくりと留乃の腕を払う。

「おれは瑞希が好きなんだ。君は魅力的だが、瑞希とは比べものにならない。瑞希を愛しているんだ」

映像はそこで途切れたが、それで充分だった。
留乃は首を横に振り、必死に否定する。

「ちがっ……! これは違うの」
「なにが違うんだ、この浮気女。節操ねえな」

学武は呆れて、ため息をつき頭を掻いた。

「アホらしい。帰るわ」
「学武! 待ってよ、私も……!」

婚約者である男は、振り替えることはなかった。
後を追おうとした留乃を数人の警備員が留乃を取り押さえ、連行する。

「なにをするの、離してっ! さわらないで」
「わたし達は夫婦です」

暴れる留乃に冷静に、瑞希はハッキリと云った。

「わたしも敬信さんも、皆さんも。あなたの玩具じゃありません。お引き取りください」
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