鎖から放たれた蝶々は美しく羽ばたく
そういえばあの日、私を助け、この眼鏡を選んでくれた彼が、「苺チョコみたいで可愛い」眼鏡だと言っていた。
「……もしかしてひと月ほど前、派手に転けて眼鏡を壊した私を、助けてくれた人ですか」
「イエス」
にぱっ、と実に嬉しそうに彼が笑う。
「え、え、ええーっ!?
……あ、すみません」
思わず大きな声が出て、部署中の視線が集まった。
曖昧に笑って誤魔化し、椅子に座り直す。
「え、なんで神月伶桜が私なんか助けるんですか」
「その言い方、なんか傷つくなー。
僕だって人間だよ、困っている人がいたら助けるのは当たり前」
ぷーっと唇を尖らせた彼は、私よりも年上なのに可愛く見えた。
「……すみません」
そうだよね、神月さんだってモデルである前にひとりの人間だ。
いや、この言い方もまるでモデルは人助けしないみたいでダメだな。
反省。
「でもよかった。
あのあとちゃんと、眼鏡を受け取ってお仕事行けたのか気になってたんだよね」
「その節は大変お世話になりました。
ありがとうございました」
精一杯の感謝の気持ちで、彼にあたまを下げた。
「……もしかしてひと月ほど前、派手に転けて眼鏡を壊した私を、助けてくれた人ですか」
「イエス」
にぱっ、と実に嬉しそうに彼が笑う。
「え、え、ええーっ!?
……あ、すみません」
思わず大きな声が出て、部署中の視線が集まった。
曖昧に笑って誤魔化し、椅子に座り直す。
「え、なんで神月伶桜が私なんか助けるんですか」
「その言い方、なんか傷つくなー。
僕だって人間だよ、困っている人がいたら助けるのは当たり前」
ぷーっと唇を尖らせた彼は、私よりも年上なのに可愛く見えた。
「……すみません」
そうだよね、神月さんだってモデルである前にひとりの人間だ。
いや、この言い方もまるでモデルは人助けしないみたいでダメだな。
反省。
「でもよかった。
あのあとちゃんと、眼鏡を受け取ってお仕事行けたのか気になってたんだよね」
「その節は大変お世話になりました。
ありがとうございました」
精一杯の感謝の気持ちで、彼にあたまを下げた。