鎖から放たれた蝶々は美しく羽ばたく
「袴田課長に連絡して、確認してみる。
悪いけどそれまで、カフェエリアで待ってて」

「わかりました」

頷いたものの、あの神月伶桜の相手なんて、私にできるのか心配……。

すぐに国元さんは携帯を取りだし、電話をかけはじめた。
私も自分の席へと戻る。

「あの、神月さん」

「なんだい?」

私を見つけ、ぱっと輝く神月さんの顔は……眩しすぎます!

「ちょ、ちょっと、カフェテリアでお茶でも、しません、か……?」

さりげなくを装いたいのに、どもってきょときょとと視線も定まらなければ、完全に不審者だ。

「お仕事はいいのかい?」

しかしながら神月さんは全く気にしていないようで、ほっとした。

「あ、えと、ちょっと煮詰まってて、休憩しようかな、とか思っていたところなので、大丈夫、です」

「なら、行こうか」

立ち上がった神月さんがさりげなく私の腕を取る。
が、身長差がかなりあるので残念ながら腕を掴まれた子供みたいになった。

部署を出ながら国元さんへ視線を送ると、携帯で話していた彼女が短く頷いた。
私も頷き返し、ドアを開ける。

「苺チョコちゃんとお茶できるなんて、僕は幸せだなー」

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