鎖から放たれた蝶々は美しく羽ばたく
それを見て、地の底にまで響きそうなほど重いため息が落ちていく。
「……これも、既読スルー」
前はいそいそと食事の準備をして待っていたのだ。
でもいまは、そんな気分になれない。
「……はっきり言えない、私が悪いんだけど」
わかっている、けれどそれができないのが自分なのだ。
できていればこの傷のことだってとっくに、ちゃんと伝えられている。
――ピコン。
「無視、無視」
きっと、袴田課長から返信の催促だと携帯の上に枕をのせたけれど。
――ピコン。
――ピコン。
――ピコン。
――ピコン……。
「あー、もー、しつこい!」
鳴り続けるそれを、仕方なく手に取る。
確かに袴田課長からも来ていたが、大半が神月さんからだった。
【僕からのメッセを既読スルーするんだ?】
【へえ、いい度胸してるね、苺チョコちゃん】
【君がそうくるなら、僕は奥の手使っちゃうもんね】
【明日はたーっぷりお仕置きしてあげるから、楽しみにしててね】
「……奥の手?」
とはなんだ?
さらにお仕置きを楽しみにとかできるはずがない。
しかしながら家の場所を教えていないので、どうせ……。
「……これも、既読スルー」
前はいそいそと食事の準備をして待っていたのだ。
でもいまは、そんな気分になれない。
「……はっきり言えない、私が悪いんだけど」
わかっている、けれどそれができないのが自分なのだ。
できていればこの傷のことだってとっくに、ちゃんと伝えられている。
――ピコン。
「無視、無視」
きっと、袴田課長から返信の催促だと携帯の上に枕をのせたけれど。
――ピコン。
――ピコン。
――ピコン。
――ピコン……。
「あー、もー、しつこい!」
鳴り続けるそれを、仕方なく手に取る。
確かに袴田課長からも来ていたが、大半が神月さんからだった。
【僕からのメッセを既読スルーするんだ?】
【へえ、いい度胸してるね、苺チョコちゃん】
【君がそうくるなら、僕は奥の手使っちゃうもんね】
【明日はたーっぷりお仕置きしてあげるから、楽しみにしててね】
「……奥の手?」
とはなんだ?
さらにお仕置きを楽しみにとかできるはずがない。
しかしながら家の場所を教えていないので、どうせ……。