鎖から放たれた蝶々は美しく羽ばたく
玄関に彼を待たせたものの、こんなものをどうしていいのかわからない。
少し悩んで、あったら便利かもと買ったものの大きすぎて持て余し、死蔵品になっていたパスタ鍋を引っ張りだしてそれに水を張って突っ込んだ。
「あとは、帰ってから考えよう……」
これからきっと、悩みまくる一日になるのだ。
これくらい、後回しにしてもいいはず。
「じゃあ、行こうか」
彼がさりげなく腰を抱こうとしたものの、身長差がありすぎて結局、そっと腰へ手を添えるに終わった。
外に出て待っていた車は、高級車で有名なドイツメーカーのものだった。
さらに、運転手までついている。
「……あの。
神月さん、って」
恐縮しつつ、勧められた運転席の後ろへ座る。
「ただの、モデルだよー」
器用にパチン、と彼は私へウィンクしてきたが、絶対に違うと思う。
「苺チョコちゃんのマンション、オートロックじゃないんだねー」
私の腰へと手を回し、神月さんは盛んにスキンシップをしてくるが、この前には私の親と同じ年くらいの運転手がいるのだと思うと、避けてしまう。
いや、彼がいなかったところで同じだけど。
「そう、ですね」
少し悩んで、あったら便利かもと買ったものの大きすぎて持て余し、死蔵品になっていたパスタ鍋を引っ張りだしてそれに水を張って突っ込んだ。
「あとは、帰ってから考えよう……」
これからきっと、悩みまくる一日になるのだ。
これくらい、後回しにしてもいいはず。
「じゃあ、行こうか」
彼がさりげなく腰を抱こうとしたものの、身長差がありすぎて結局、そっと腰へ手を添えるに終わった。
外に出て待っていた車は、高級車で有名なドイツメーカーのものだった。
さらに、運転手までついている。
「……あの。
神月さん、って」
恐縮しつつ、勧められた運転席の後ろへ座る。
「ただの、モデルだよー」
器用にパチン、と彼は私へウィンクしてきたが、絶対に違うと思う。
「苺チョコちゃんのマンション、オートロックじゃないんだねー」
私の腰へと手を回し、神月さんは盛んにスキンシップをしてくるが、この前には私の親と同じ年くらいの運転手がいるのだと思うと、避けてしまう。
いや、彼がいなかったところで同じだけど。
「そう、ですね」