鎖から放たれた蝶々は美しく羽ばたく
その後、当然ながら私が一抜けした。
セバスチャンさんと神月さんの一騎打ちのとなれば、当たり前ながら。

「やったー、僕の勝ちー!」

神月さんは喜んでいるが、あれは……勝たない方がおかしいよね?

「でも、苺チョコちゃんには勝てなかったなー。
苺チョコちゃんはババ抜き、強いんだね」

「え、えーっと。
は、はははは……」

抱きついて、頬へ、額へ、神月さんから口付けを落とし続けられ、とりあえず笑っておいた。
それしか、できなかったから。

「もう一回、やろう。
今度こそ、負けないぞー」

いや、もうやめない?
とは思ったが、セバスチャンさんがこっそり私へ首を横に振るので、仕方なく続けることにした。

ゲームは第二回戦で終わることなく、続き。

「あー、もう、何度やっても苺チョコちゃんには勝てなかったなー」

「は、ははは……」

エリザベスさんから食事の準備がもうすぐ調いますがどうなさいますか、の声でやっと終わった。

「ディナーも食べていくだろ?」

もう決定事項らしく、私の返事など待たずに食堂へ連行された。
ええ、神月さんのお宅にはダイニングではなく食堂が存在する。
< 90 / 105 >

この作品をシェア

pagetop