禁断の味はチョコレートのように


翔太はワインを開けグラスに注ぐ。
そしてチョコの箱を開けた。

「さて、もう一度乾杯しよう。
君の瞳に、なんてことは言わないよ」

おどけたように言う翔太に杏もクスリと笑い、お互いグラスを合わせた。

「どう?」

「濃厚です」

杏が早速口にしたチョコは、とても濃厚で、中には甘酸っぱいジャムが入っていた。

「俺も食べたいな」

それが杏は何を意味しているかわかり、戸惑いながらも一つ取って翔太の口元に持っていく。
気をつけて正方形のチョコの端を持っていたのに翔太は杏の指先ごと口に入れ、驚いて手を放しそうな杏を逃がさないよう、片手で杏の背中を引き寄せそのまま指を舐めた。
杏の指がゆっくり溶けたチョコになったように、翔太は舌先で味わう。
逃げようとした杏の表情が溶けるように変わっていくのを、側で翔太は目を細めた。

「美味しいね」

ようやく離れた指をだらりと落とし、今度は杏の唇を翔太が味わうために近づく。

「もっと甘い物を味会わせて」

あぁ戻れない。
杏は静かに目を瞑った。

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