禁断の味はチョコレートのように
杏が目覚めるとそのベッドには自分だけ。
もしや逃げられたのかと急いで起き上がれば、バスローブを着てパソコンに向かっている翔太の背中を見て杏は安堵した。
音に気付いて翔太が振り向けば、ホッとしたような顔を杏がしているのを見て自然と笑みがこぼれる。
杏の側に行き、ベッドに腰掛けると杏の頬を優しく撫でた。
「体調はどう?」
「大丈夫」
「ごめんね、朝一で片付けなきゃいけない事があって。
出来るならずっと腕枕して杏の寝顔が見たかったよ」
翔太に見抜かれていたことに杏はばつが悪く顔を背ける。
そんなことも愛おしくて横を向いているその頬にキスをした。
「シャワー浴びておいで。モーニングを部屋に頼もう」
脱ぎ捨てられていたはずの杏の衣服は既にクローゼットに掛けられ、下着は几帳面に畳まれていた。
驚いた杏がそれを持って逃げるようにシャワールームへ入っていったのを翔太は笑う。
「これだから止められない」
さてこの後彼女をどう甘やかそうか。
不倫だろうがなんだろうが、相性の良い相手と結ばれる可能性は人生で無い場合もある。
こんな貴重な出逢い、自分が既婚であろうと関係無い。
チャンスは得てこそ意味がある。
翔太は満足げに再度パソコンに向かった。