禁断の味はチョコレートのように
モーニングを取ると二人でチェックアウトギリギリまで部屋でまったりとし、ドレスでは無く最初の服に杏は着替えて外に出る。
それから周辺の公園を散策したりウィンドーショッピングを楽しんだ。
杏は完全に以前とは異なっていた。
何か吹っ切れたのか、今の時間を楽しんでいる。
マンションまで杏を送りその入り口で翔太は、
「楽しかった。ありがとう」
「ううん、私こそ」
「また連絡するよ」
そこで杏はこれで終わりかも知れないと思った。
一線を越えた、それで男は満足だろうと思ったから。
そんな杏に翔太は笑う。
「素敵な女性に会うためなら時間は作るよ。
寂しいだろうからネックレスは毎日してくれると嬉しいな」
「でもこんな高価な」
「ダイヤモンドに君は負けてない。
胸を張りなさい、自分はそれをつける価値のある女なのだと。
じゃ、お休み」
翔太は杏の額に軽くキスをして帰っていった。
杏は家に入り、買って貰った服などが入った大きな紙袋を置く。
鏡に向かい、自分の胸元に輝くネックレスに触れた。
まるで魔法が解けそうなのに、これがあることで現実と繋ぎ止めてくれているような気がする。
「もう戻れない。だけど後悔していない」
あれだけ止まろうとしていた理性は簡単に打ち砕かれた。
元々あそこで引き返す気など無かったと自分で思い知る。
杏は美しいドレスを袋から出し、抱きしめた。