禁断の味はチョコレートのように



久しぶりに杏と利奈は夕食を一緒にすることになった。
選んだのはやはり行きつけのカラオケボックス。
もう二人で話すには個室かこういう場所で無くてはならなくなっていた。

「そのネックレス、凄いわね」

ニヤリと利奈が杏の胸元を指さす。
杏もはにかんだような顔をした。

「橋本さんからの贈り物?」

「そうです」

「それダイヤモンド?さすが会社社長、太っ腹」

「私も驚いたんですが、いつもつけていて欲しいと」

「へぇ、橋本さんって意外と独占欲強いのかな」

「何でですか?」

「マーキングみたいなものでしょ?
そんなダイヤモンド、簡単にはプレゼント出来ないんだし」

ピザを摘まみながら利奈が指摘すれば、杏は眉を下げた。

「周囲には自分で奮発して買ったと言ってます。
彼氏もいないのにもらってるなんて不自然ですし」

「そうよねぇ、彼氏って訳じゃ無いのよね」

利奈の声に暗さは無い。

「だけどそのネックレスを言われたとおりしてるってのはちょっと意外。
そんなに橋本さんに惚れ込んでいるの?」

紹介した自分が言うのもなんだが、のめり込んでいないか利奈は少し心配になっていた。
自分のようにお互い既婚者ではなく、杏の場合は未婚、あれだけの男に惹かれないはずもない。

杏は少し笑って白ワインをあおる。

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