禁断の味はチョコレートのように


「私ね、翔太よりも年上なの。
だけど相手にする子は一回りくらい下の子だっているのよ」

今度は愛がそんな事を話し出して、杏は驚きながらも聞き入ってしまう。
何を言っているのか、意味がわかるからこそ。

「のし上がりたいって思ってる子に声をかけるの。
ようは私のコネで仕事する気はあるかって。
ただし、コネで仕事を与えた以上、私の顔に泥を塗る真似はしないで頂戴って言うわ。
そして今のところ順調。
会社も私も、ね」

愛はそう言って笑った。

「せっかくのチャンスを得たのよ、今貴女が翔太に相応しくありたいと思うのならもっと欲深くなりなさい。
もう28歳じゃない、まだ28、なんだから」

愛はそう言うと、楽しそうに笑って会議室を出て行った。

『器が違うってこういう事なんだ』

杏はそれを痛感していた。
自分の想像する夫婦のあり方を、二人は超えているのだろう。
そして、夫の不倫相手である杏に背中を押すような事すら言うその様に、杏は何故か笑うことしか出来なかった。

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