禁断の味はチョコレートのように
杏は時間を見て手短に愛との話を翔太にメールした。
返信はすぐに来て、その夜急遽会うことになった。
「そうか、乗り込んでいったか」
ここは杏のマンション。
翔太は自分の持ってきたワインを飲みながら、翔太は杏から詳しく事の経緯を聞いて苦笑いした。
「心臓が止まりそうだったよ」
翔太の横に座り項垂れた杏の頭を優しく撫でる。
「俺たちは別に、相手が何しているか教えあったりはしない。
だけど勝手に調べてはいるんだよ、変なのに関わると自分の仕事にも影響するしね。
彼女も俺が今回ご執心だから気になったんだろう。
だがそんなことを言うなんて彼女らしい」
翔太も愛も念のためと言うことで、裏でどんな相手と付き合っているかはいつも調べていた。そんなのはお互いわかっているが口に出すことは無い。
翔太は久しぶりの相手でそれも今までよりも構うことが多いのが、愛の興味を引いた。
その結果は杏を心から怯えさせ、そして本妻と愛人との格の違いを見せつけられた気がした。
翔太が愛を人生のパートナーと言い切り、妻は彼女だけというのも無理は無い。
「美しくて強い人だね」
翔太は寂しげに言う杏の頭をまた撫でる。
「翔太さんがあの方を人生のパートナーと言い切るのがわかった。
私なんて太刀打ちできる相手じゃない」
「おや、立ち向かおうとしていたんだ。それは嬉しいね」
嬉しい、きっと小型犬が大型犬キャンキャン言う様を、可愛いと言うようなレベルなのだろうと杏は思ってしまう。