聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース
見事な反射神経で、佐藤コンビを制止する田尻さん。

お酒の匂いに交ざって、かすかに石鹸の香りが鼻に届いた。

未飲酒だとわかって胸を撫で下ろすも、途端に全身に緊張が走る。



「ごめんね。休憩中に」

「いえいえ。お気になさらず」

「私たちもついさっき来たばかりなので……」

「いいねぇいいねぇ、浴衣デート! 羨ましいなぁ!」

「どっちから誘ったの〜?」

「もう、声が大きいって。じゃ、2人とも、またね♪」



田尻さんは優雅に手を振ると、友人の腕を引っ張りながら休憩所を出ていった。

語尾が弾んで、以前見た小悪魔っぽい微笑みと似ていたのは気のせいだろうか。



「酔うと饒舌になるタイプなんだな」

「すごい勢いだったよね。でも、あまり顔は赤くなってなかったよね。会話もできてたし」



アルコールに強いのか弱いのか。耐性はどれくらいあるのか。

飲まないことには確認しようがないけれど、先輩たちの様子を見て、お酒はやめておくことにした。もし道端で吐いてしまったらいけないし。
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