聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース
花束を抱えた彼女が、やや困惑気味の表情でマイクに向かって答える。


立っているだけで目を引く華やかな顔立ち。

肩周りが露出したタイトなシルエットのドレスだが、凛とした表情と上品な雰囲気で緩和され、程よい色気を醸し出している。

まさに、グランプリにふさわしい人。



「さすが滝田(たきた)部長。審美眼があるな」

「審美眼?」

「あの人を推薦したの、滝田部長だよ」



のどから出かかった大声を手のひらで覆い隠して抑え、目を見開く。

清水くんいわく、締切日に実行部の部屋から2人が出ていくところを見かけて、声をかけたのだそう。



「本人は出る気なかったみたいなんだけど、部長が頭下げて頼み込んだんだって」

「そこまでして出てほしかったんだ……」

「うん。『勧誘されてない人で、番狂わせできそうなのは田尻さんしかいない』『直接被害はなくても、彼女たちを傷つけることになるから』って説得してて……」



言葉を詰まらせ、顔に影を落とした清水くん。

内容からその時の状況を想像すると、1つの仮説が思い浮かんだ。
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