年下男子は恋愛対象になりますか?
「由夏さん!」

少し経ってから聞こえた声は、心なしか焦っているような感じがした。

慌てて顔を上げると、そこには売店のトレイを持ってこっちに近付いてくる隼人君の姿。

トレイには飲み物が2つと大きめのポップコーン、スマホが置いてあるのが見えた。

「会えて良かったです。スマホ繋がらないのでちょっと焦っちゃいました」

「え!それはごめん」

私が電源を切ったあと、どうやら隼人君が電話してくれていたらしい。

スマホを鞄の中に入れてから行き交う人々を眺めていたから、隼人君が探してくれていたことに気が付かなかった。

私からは隼人君が見えてたけど、正確な場所を伝えないまま移動してしまったから、居る場所が分からなくて当たり前なのに。

「本当にごめんね」

「大丈夫です。こうして会えたんですから気にしないで下さい。スマホの電源、もう切ったんですか?」
< 464 / 755 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop