年下男子は恋愛対象になりますか?
隼人君は何て返してくれるだろう。
時間にしたら数秒程度だったけど、その間がとても長く感じた。

「……健太さんと何があったんですか?告白でもされました?」

いつもより低い声。

「でも、ちゃんと断ったから!足おもいっきり踏んだあとにビンタしたし、スマホのブロックだってしたよ!」

私が好きなのは隼人君だけ。嘘じゃない。

「はは、足踏んでビンタするってどういう状況ですか?告白されただけだったら、普通そこまでしませんよね?」

「お母さんが健太と佑介に荷物持ってもらったみたいで、家に連れて来ちゃったの。そしたら叔母さんが来て、佑介とリビングに行っちゃって。それで健太と2人きりになって、絆創膏貼ってるところ掴まれて転びそうになって、それで、その」

怯みそうになるも昨日おきたことを説明した。かいつまんで話すのは難しかったから、ありのままを全部。

「その……抱きしめられて、耳に、キス、されました」

ドンッと大きな音が鳴り響く。

気が付いた時には私の背中が玄関ドアに触れていて、隼人君を見上げる姿勢になっていた。

顔の横には隼人君の手。
悲しみの中に怒りが混ざっているような視線。
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