年下男子は恋愛対象になりますか?
「とっても似合ってますよー!でも、急にどうしたんですか?髪切るつもりないって前に言ってませんでした?」

「ちょっと、ね」

「えー!その言い方とっても気になるんですけど」

後輩のその言葉に笑顔を向け、カラフルなイラストが描いてあるクッキーの箱をテーブルに置く。

大丈夫。思っていたよりも普通に過ごせているはず。

「はよーっす。何だ、高橋。急に雰囲気変えてどうした?ついに彼氏でも出来たかー?」

休憩室のドアが開いて入ってきた先輩と目があったと思ったら、開口一番そんなことを大声で言われた。その場にいた人達の視線が私に集中する。

「きゃー!やっぱりそうなんですか!?」

「えー。推しのバンドマン好みの髪型にしただけだろ?」

「彼氏だとしたら同じ趣味の人!?」

私の趣味のことは皆に知れ渡っているので、色々な憶測が飛び交った。いや、好き勝手に言われていると言った方が正しいかもしれない。

好きな人は?って聞かれたら、好きなバンドのメンバーの名前を言っていたので、こう言われても仕方がないのかも。

タイミング的には最悪だけど、自業自得。
< 481 / 755 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop