年下男子は恋愛対象になりますか?
「キスしたら怒ります?今日まだ1回もしてないんで、そろそろしたいんですけど」

さっきまでの雰囲気とは違う甘い声。

「ビール少し飲んじゃったから苦いかもよ?」

「それは大丈夫です。もっと飲んでほしいぐらいですし」

そう言われた理由はなんとなく分かる。
飲みすぎて歩けなくなったことはあっても、記憶をなくしたことないから。

「止められなくなって嫌われたくないので、由夏さんからしてくれませんか?」

酔っぱらってないからまだ期待には応えられそうにない。それに、最後までしたいって言ってるように聞こえたよ。

「お、お酒飲み終わってからね」

「今お願いします」

起き上がろうとしても手を離してくれなかった。私にしてみたら頑張ったのに参ったな。それに……

「私はするよりもされる方が好……って、ごめん!今のなし!お願いだから聞かなかったことにして」

まずい。これは恥ずかしすぎる。
何で心の中の声を口にしちゃったんだろ。

「もしかしてもう酔っちゃいました?」

「そ、そうかも!色々あって疲れてるから、いつもより早く酔っぱらっちゃったんだと思う!」

一口しか飲んでないけど全部お酒のせい。それでいい。

「耳まで真っ赤になりましたね」

「意地悪なこと言わないで」

顔を見れなくなって隼人君の胸に顔をうずめた。こんなにくっついてたら、心臓の音が聞こえちゃいそう。
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