年下男子は恋愛対象になりますか?
「わ」

ゴロンと体勢を変えられて今度は私が下になった。隼人君に見つめられてるだけで恥ずかしい。こればっかりは慣れる日なんて来ない気がするよ。

「いつも可愛いですけど、今日の由夏さんは更に可愛いです。大好きです」

「……うん、私も」

ゆっくりと顔が近づいてきたので受け入れた。
隼人君はキスされるよりするほうが好きだと思うんだけど、どうなんだろう。



目が覚めると明るくなっていて、隣では隼人君が寝ていた。私の方が先に起きるなんて珍しいかも。

すやすやと寝ている姿を見るだけで幸せな気持ちになる。この先もずっと仲良く過ごせたらいいな。

「好き。大好き」

くっつきたいけど起こしたくないから我慢。
物音を立てないようにベッドから降りて、テーブルの上に置きっぱなしにしていた缶ビールを手に取った。

その時に視界に入った私のスマホ。

勝手に寝顔撮ったら怒られるかな。
バレなかったら大丈夫かな。
1枚だけ……

缶ビールを戻してスマホを手に取る。
近付きすぎると起きちゃうかもしれないから、その位置から撮ってみることにした。

「朝から何をやってるんですか」

カメラを起動してピントを合わせようとしたら、タイミング良く隼人君が目を開けた。

「うわ、びっくりしたー!もしかして起こしちゃった?急に寝顔撮りたくなっちゃったの。でもまだ撮ってなかったから安心してね」

「少し前から起きてました。さっきのもう1回言ってくれたら目をつぶりますよ?」

「さっきの?」

「はい。大好きって」

聞かれてたんだ……!

「こ、今度またチャレンジするから言わない」

「はは、そうですか。それは残念です」

隼人君は本当に意地悪。
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