年下男子は恋愛対象になりますか?
「ここまで来てくれてありがと」

「いえ、俺が勝手に着いてきただけですから。大丈夫そうな時に連絡してもらえると嬉しいです」

隼人君が駅まで一緒に行きたいって言うから私の車で来ていた。

悪いからいいよって断ったんだけど、少しでも長く一緒に居られるのは正直嬉しいわけで。

「えっと、その、何も心配しなくて大丈夫だから」

こんなこと言うのはおかしいかもしれないけど、どうしても言っておきたくなった。逆の立場だったらどうしても心配しちゃうと思うから。

「信じてるので大丈夫ですよ。だって、由夏さん俺のことめちゃくちゃ好きですもんね?」

ここは駅の改札付近。
人通りがたくさんある場所でそんなこと言わないでよ。安心してくれてるのは嬉しいけど恥ずかしすぎる。

「め、めちゃくちゃかどうかは分からないけどね」

好きの最上級の言葉って何だろう。
愛してる?
そうだったらまだ言えそうにないや。

「そこは"うん"って言って下さいよ。話変わりますけど、由夏さん気が付いてます?少し前から美樹さんがこっち見てますよ」

隼人君の視線の先にはニヤニヤしている美樹がいて、目が合ったと思ったら近付いてきた。

「えっ、何で声かけてくれなかったんだろ!?隼人君も知ってたならもっと早く教えてよ」

「すみません。美樹さんにダメってジェスチャーされてたもので」

2人とも酷い。

「お邪魔しちゃったみたいでごっめーん。私のことなんて気にしなくていいから、さっきみたいにハート飛ばしまくって下さいな」

「そんなの飛ばしてないから!会って早々からかうのはやめてよね!ほら、そろそろ移動しよ」

「えー」

美樹の背中を押して改札へと向かう。
その間も隼人君はずっと笑ってた。

「じゃあ行ってくるね」

「はい。楽しんで来て下さい」
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